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KAMATA model コンセプト
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ロングライフ デザイン
  単体の住宅としてのロングライフデザインに関しては、「SETAmodel」以来、最新の「用賀model」までその考え方や表現の仕方を考えてきました。
 形式は二世帯の住宅であったり、単世帯であったり、隣り合う二棟の独立した住宅であったりしていますが、KAMATAmodelではカテゴリーをもうすこし広げて、集合住宅という形式でのロングライフデザインを考えてみました。
 KAMATAmodelの住戸はイーブンな状態での集合形式ではなく、オーナーの住居と複数の賃貸住居が一緒になった建物です。
 ヘーベルハウスの営業や設計は、この形式の建物を、アパ併(アパート併用住宅の略)と呼んでいます。

 このアパ併という言葉の響きそのものの中に、オーナーの居住環境や内装設備のグレードは一所懸命に考えるが、賃貸部分の計画においては25u前後のスペースをとにかくたくさん詰め込むとが最優先であるという意図が多分に含まれています。
賃貸の住居を計画する事自体が投資である以上、当然のことではあるのですが、住宅の質の向上や、そこに住みたいと思える街を作っていくといった類の話とは矛盾してしまうことの多い考え方です。

 ただ、投資として成立する為には、同時に将来に渡ってお金を生み出す価値を持っていることも必要です。効率のみを追求したような物は、建物が新しいうちは通用しますが、少し時間が経つと価値が持続できなくなってくるものもあるかと思います。
集合住宅もロングライフデザインを考えていく必要があります。



木賃形式

マンション形式

小型オートロック形式

アパート併用形式
今時の賃貸住宅の状況
  今時、不動産業者に評価される物は、オートロックが付いた共用玄関を持つ集合住宅で、各住戸の面積は25u以上、収納は必ず必要で、キッチンの巾は1.5m以上かつへやの中には無いこと、トイレは当然独立していて、洗面台があること、エアコンはついていて、ベランダがあること(あればよい)、日が入る入らないにかかわらず、南向きであること。とりあえずこのくらいの用件を満たしていればOKで、後はエリアと駅からの距離に応じて賃料が設定されていくような仕組みになっているようです。

 要するに募集の広告の中で言葉として書きやすいものが良い賃貸住宅の条件として市民権を得ているという状態になってしまっていて、居心地よさとか美しさというような本来の住宅としての価値は、「良いほうがいい」程度の加点評価に過ぎないという状況になっているようです。
 逆にまじめに居心地よさとか使いやすさというような事を考えて上記の用件を逸脱したりすると、かえってマイナスの評価をされてしまうようなことも多いようです。
 賃貸住宅の質を、不動産業者が賃料の設定という形で評価してしまっている状況の中で、賃貸住宅の質は、ひとつの形に収束、硬直化してしまっています。

 実際、とりあえず投資として失敗しないように作った、オートロックが付いた共用玄関・・・・・・・の空間が心地よいかというと、特に小規模な物の場合、無理しているのが表面に見えてしまい息苦しさを感じてしまいます。
 建物の周りの空間や、共有スペースがいっぱいいっぱいなのに、豪華なホテルや大規模なマンションと同じ価値観を持ち込み、豪華さを強調するために、とりあえず石を使ったりしている物をみると、一見豪華にみえるように作った張りぼての建売住宅と同じ安っぽさを感じてしまい、ロングライフな価値とはまったく別な物になってしまいます。

 戸建ての住宅でも似たような状況はあると思いますが、住み手が直接建物を評価するという状況と間に仲介業が入り込むという差が状況変化のスピードの違いになって現れ、戸建て住宅ではあたりまえになってきているような価値観が賃貸の市場ではなかなか一般化していかない要因になっているのだと思います。

 一方デザイナーズマンションと呼ばれているものは、また別の土俵で価値が作られています。
既成の価値観にとらわれずに、新しい状況を作り出し、体験したことのない心地よさや、かっこよさを追求し実現しています。
集合住宅が得意な建築家がデザインしたものが多く、万人に受け入れられることを目標にはせず、強気な賃料の設定にも関わらず、すぐに満室になってしまうような状況もすでに珍しいことではなくなっています。
企画からデザイナーの選定、賃料の設定、テナントの募集まで通して行うことで、既存の価値に左右されない新しい価値を生み出すことに成功しています。
ただ枕詞にデザイナー・・・とかデザイン・・・いう言葉をつけただけの怪しい物も増えているような気もします。

 そんな状況の中で 、それほど大きな規模でもなく、システム住宅であるヘーベルハウスの集合住宅はどこへ向かうべきなのかを考えてみました。


多世帯住宅からのアプローチ
 KAMATAmodelを計画していく中で、集合住宅というよりは、複数の世帯がひとつの建物の中に集まって住むということの意味を考えてみました。
 オーナーとテナントは入り口も別々で、オーナーはペントハウスで快適に過ごし、賃貸スペースは利益を得る為の手段として効率を最優先させるというヒエラルキーを持った関係でなく、ひとつの建物に住む人たちが、みな気持ちよく過ごせるものを作りたいと思いました。
 親と子の二世帯住宅がひとつの建物に住む「二世帯住宅」という形式は定着してからある程度時間が経過しましたが、世帯の構成の変化についていけなくなって、建て替えざるを得ない状況になっているものも多いようです。
 機能は変化しています。街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」では、特に親子が並んで暮らすという限定の仕方はしていませんが、親子でも兄弟でも他人でも、「お隣さん」というという程度の距離感で生活できるあり方をロングライフデザインとして位置付けました。
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」 街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」 街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
   多数の世帯を別棟で計画することができれば、それが一つの回答になると思うのですが、密度が高くなるとその形式にも限界はあります。
 「おたがいさまハウス」で考えた二つの世帯の関係を、ひとつの建物の中で、立体的に組み合わせていくことを考えました。
 最近、3〜4世帯というはっきりしない多世帯の計画や、さらにその中に賃貸住宅が入り込んでくるような複雑な計画が増えている気がします。
小規模な集合住宅の場合、オーナーの住戸と賃貸の住戸、またどちらにもなりそうなバッファーとなる住戸をフラットの状態で組み立てていくことが有効な考え方になりそうです。
 まったく不特定な住人を想定した集合住宅でもなく、始めに複数のオーナーを決めて、誰がどの部分にどうやって住むかという個別のニーズに細かく対応していくコーポラティブハウスでもなく、オーナーとテナントがヒエラルキーを持った関係で成立しているアパ併でもない。
賃貸であるのか、オーナーの家族が住む住戸なのかを明確に位置付けない状態の多世帯住居という形式が、今の東京の住宅地のなかでは
有効なのではないかと思います。

  このような考え方が集合住宅としてのロングライフデザインにつながりそうな気がします。。


長屋形式の小規模な多世帯住居
  小規模な多世帯住居という形式の集合住宅を作る上で、長屋という形式を採用しました。

 長屋の形式をとったもので、旭化成ホームズの集合住宅の商品にCourt Villaという商品があります。
 共用玄関→共用廊下→住戸という形式ではなく、路地を歩きながら自邸の前までたどり着く形式の集合住宅なのですが、通路(路地)部分は地面なので土であったり、植物が植えてあったり、仕上げ材のバリエーションが豊富であったりして自宅にたどり着くまでの通路を楽しい空間になっています。

 KAMATAmodelは合計4世帯の住居がひとつの建物の中に計画されています。
 小規模でけなげなイメージがにじみ出てしまうような共同住宅はKAMATAmodelのような小規模多世帯住居には相応しくないと思いました。

 また共用玄関を持つ形式にしてしまうと、街と建物の接点は共用玄関一箇所になってしまい、その周辺は良いのですが、特に角地の場合など出入り口の面していない面が閉鎖的な感じになってしまうのがいやでした。
各戸が直接街に接している長屋形式の建物のほうが、多世帯住居のイメージに近いと思いました。
各住戸が直接街に接しているので、建物に裏表が無く街の表情が生き生きしたものになると考えました。
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」 街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」


占有外部空間と防犯ラインの変換
  各住戸の前には占有の庭を設け、庭と街路とは縦格子のスクリーンでやわらかく仕切り、その空間を居住スペースと公共の街路空間とのインターフェイスとなる空間としました。
またスクリーンには鍵のかかる扉を設け、ここを防犯ラインとすることで室内に入るためのドアを省略し、建物への出入りは外から施錠できる掃き出し窓を介して行い、内と外が緩やかにつながる一般の庭と居住スペースと同様の心地よいの関係を作り出しています。


空間の構成 ポーラス(多孔質)な空間構成
  全体の形は大きな直方体なのですが、その中になるべく多くの穴をあけ、建物内部に光とかぜを送り込む関係を作りました。


cross−stitch mask
 また、その空間構成とはある意味無関係な千鳥模様の外壁をかぶせることで、形の美しさと多様化した外部空間を生み出すことを可能としました。
外部に出て実際に感じてみてください。
建物の内部に穿たれた空間は問題ない程度にプライバシーを確保した上で、複数の住戸が共有できるようにし、内外含めた住空間を豊かな物にしていきます。
またこの外部の空間には、それぞれの場所で最適な緑化を考え、建物全体が潤いのある空間になるように計画しています。

GREEN layout


L型空間
 各住戸の空間はうなぎの寝床の繰り返しにならないよう、メゾネット形式にしたりL型の空間構成とし、空間に変化を生み出させています。
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
BLOCK layout
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
WALL layout
街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
VOID layout


水周り空間
 賃貸部分の水周り空間や設備機器は、直接賃料に繁栄されにくいコストとして考えられることが多く、いまだに玄関を入った通路の両側に
キッチンセットと1014サイズの小さなユニットバスが無造作に並べられているだけのケースが多く、キッチンやお風呂は義務的に設けられています。
 「家の中で気持良い時間をすごせる場所はベッドの中と浴室だ」と言う人もいるのではないかと思いますが、その割に例外的な計画を除き、この二つの場所はぞんざいに扱われているケースが多いようです。水周りの空間が豊かであることは大きな価値があると思います。


4.5帖水周り
 KAMATAmodelでは思い切って4.5帖の中で水周り空間をどう気持ちよい場所にできるかということを考えてみました。
経済的に、このような事が許される状況はそうそうないとは思いますが、居住空間よりも水周り空間を優先させるような考え方があっても良いのではないかと考えました。
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