街かどヘーベルハウス祐天寺「おたがいさまハウス」
コンセプト
ロングライフ デザイン
4年前、2004年の4月にSHIBUYA DESIGN OFFICEを発足して以来、住宅のロングライフデザインについて考えています。
住宅がロングライフデザインであるかどうかは、建物や、その佇まいに愛着をもてるかどうかにかかっていると思います。
頑丈で長寿であっても、暮らしの変化に対応できないものは、寿命をまっとうできずに壊されてしまいます。
また単に変化に追従できるフレキシビリティを持っているというだけでも、愛着を感るものにはならないと思います。
変るものと変らないものを分けて考える必要があります。
同じような事を色々な人が言っていますが、機能は変わってしまいます。
また、「50年も経つと機能はなくなって、空間だけが残る」とも言われています。
「気持ち良い」とか「きれいだ」と感じることができる場所であれば、機能がなくなってしまったとしても、そこに居たいとか、暮らしていたいという愛着が生まれるのだと思います。
きれいな佇まいをつくる
愛着を持てるものを作るために、形がきれいであることは必要だと思います。
ただ、建物の形が単体でがきれいという事ではなく、建物を含めた、その場所がきれいだと思える事がもっと重要なことだと考えています。
特別に美人ではないのに、「全体の雰囲気がとても魅力的な人」というのと似ているかもしれません。
居心地のいい空間を作る
まず居心地がよく、安心感のある場所であることが必要だと思います。
広がり、美しさ、気持ちのよい光・風・緑、涼しさ、暖かさなど、心地が良い場所をつくる要素はたくさんあります。それらをどれも切り捨てず、その場所で一番良い方法で拾い上げていくことで心地良い場所を作りたいと思いました。
おたがいさまハウスで考えたこと
外部と内部を等価に考えます。外部と内部の境界をずらしていくことで、境界をあいまいにし、居 住空間が息苦しくならないようにしています。
二つの建物を斜に配置する
敷地に対して建物を斜めに置くと、残った土地は細
長い短冊状のスペースではなく、まとまりのある
三角形になります。
また真北方向に向けたことで、斜めから北側斜線制限がかからなくなり、きれいな形がつくりやすくなります。
両側の敷地から半分づつ土地を出し合って、中央にゆったりとしたアプローチ空間を作っています。このV字型のスペースが、街路に南からの光を運びます。
右のスケッチは、この空間に面した壁面の色を変えることで、状況がどのように変わるかのシミュレーションの結果をまとめた物です。詳しくは
以下を見てください。
http://hebel-sdo.com/project/case028/index.html
道路との間には塀をつくらず、1階部分は建物をセットバックさせて、街路と一体となる空間をつくります。
車を道路に対して斜めに駐車させる事で、車と道路の間にも三角形のスペースが生まれます。
そこに木を植えていくことで、駐車スペースは、縦列駐車とも直角駐車とも違った状況が生まれます。また3本植えた樹木が、街路樹のようなリズムを生みだします。
窓の開け方
建物の周りには、できるだけ多くの樹木を植えます。窓は、基本的にはそこに向かって開いています。
ヘーベルハウスは610mm巾の開口が多いのですが、今回は915mm巾を基本としました。また窓を開けた先に隣りの窓があるという状況は作らないようにしています。
大きすぎない窓を樹木や隣りの壁に向けて、いろいろな方向に向けることで、南側ばかりでなく、東、西、北からの性格の異なるいろいろな光が入るようにしています。
こうすることで、時間帯によって光の変化を感じられるようになります。
このようなことが、心地よさ、愛着につながるのではないかと思います。
あえて掃き出しの窓にはせずに、両棟共、和室の前は腰掛けられる高さに窓台を設定しています。
格子
道路と建物の距離が取れない東側には、インターフェイスとして格子を差し込みます。
たった5cmの奥行しか持たない格子ですが、内側と外側の距離感 は大きな奥行に変化します。
温熱環境
心地良い空間を作るために、設備の計画もとても重要だと考えています。
今回も輻射冷暖房パネルというヘーベルハウスオリジナルの格子状の冷暖房パネルを使っています。
ヒートポンプの対流式の風と異なり、ストレスのない暖かさや涼しさが実現できます。
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